競馬の始まり

有史以来人間の生活に深く関わってきた動物、馬。農耕の手助けをする家畜としてだけでなく、車が発明されるまでは長距離、最速の移動手段として、人間の歴史に深く関与してきました。

その馬の足の速さを競うのが競馬です。競馬は、いつごろどのようにして生まれたのでしょうか。その歴史について触れてみたいと思います。

歴史を遡ってみると、馬の足の速さを競う競技は馬が家畜化されて以来、世界各地で行われてきたと考えられています。古代ローマ帝国、及び東ローマ帝国などでは、戦車を引いた馬による競争が行われていました。さらにローマやコンスタンティノーブルなどでは大型の競馬場が建設され、国家的な行事としての競馬の開催があったようです。日本でも平安時代に「うまくらべ」という名称で競馬の記録があり、また騎馬民族として今でも名高いユーラシア大陸内部の遊牧民族の間では、現代もモンゴル遊牧民族が行っているような馬の競争が古来より行われていました。競馬の記録として最も古い文献は、紀元前12世紀のギリシャの物と言われています。

専用の競技施設で正式なルールに基づいて行われる近代競馬は、16世紀のイングランドに始まりました。17世紀にはフランスやアイルランド、19世紀にはドイツやイタリアにも広がりました。また、17世紀以降、ヨーロッパの植民地であった国々にも競馬は伝播し、アメリカ、アジア、アフリカ、オセアニアなどの地域でも行われるようになりました。

イングランドではもともと競馬は上流階級のスポーツとして行われていて、競馬場に赴くにもドレスコードがありました。この文化は現代にも受け継がれ、イギリスでは今なお、入場料と服装により観戦エリアが区分されています。一例を挙げると、300年の歴史と伝統を誇り、世界一の名門と謳われるロイヤルアスコット競馬場の最高級席ロイヤルエンクロージャーでの観戦には、男女共に正装が求められています。女性は帽子、肩を出さないドレス、もしくはジャケットつきのスカートかパンツスーツ。男性は燕尾服を着用する決まりです。ここに今も続くイギリスの階級社会を垣間見る事ができます。

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